卒乳と「感染の窓」|ふじ歯科クリニック|叡山本線「修学院駅」から徒歩5分の歯医者

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卒乳と「感染の窓」|ふじ歯科クリニック|叡山本線「修学院駅」から徒歩5分の歯医者

卒乳と「感染の窓」

こんにちは。

前回の投稿の冒頭に少し出てきた、「感染の窓」について今回は投稿したいと思います。

 

奥歯(第一乳臼歯)が生え始めるころが卒乳(離乳完了)の目安ですが、この時期は、赤ちゃんの口の中の細菌が大きく変化する時期でもあります。

むし菌の原因になるミュータンス菌やソブリヌス菌は、ツルツルした鉱物質の表面にくっついて歯垢(プラーク)をつくります。そのため歯が生えると、口の中にむし歯菌が感染しやすくなります。1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月の時期に、まるで窓を開け放ったようにミュータンス菌やソブリヌス菌が集中的に感染することも明らかになっていて、専門家はこの時期を『感染の窓』と呼んでいます。もっと早い時期に舌の表面の溝からむし歯菌が見つかることがありますが、いずれにせよ、むし歯菌は特定の時期に集中して感染するのです。この時期は、平均的な卒乳の時期と重なります。授乳は食事に比べると、回数が多く、時間が不規則になりがちなので、一般に卒乳が遅れると、むし歯のリスクが高まります。

 

「感染の窓」がいったん閉じると、むし歯菌の感染は少なくなります。つまり、「感染の窓」が開いている時期にお母さんが口の中を清潔に保っていると、赤ちゃんへのむし歯菌の感染を防げますし、その後はずっとむし歯菌が感染しにくくなります。逆に、この時期にお母さんの口の中にむし歯菌がたくさんいると、ほぼ確実に赤ちゃんに感染してしまいます。

いったんむし歯菌が感染すると、どんなに熱心に歯磨きをしても、むし歯菌は簡単にはなくなりません。この時期のむし歯菌への感染が、お子さんの生涯のむし歯のかかりやすさを左右するのです。

 

歯磨きが大切なことも、親のむし歯菌が子どもにうつってしまうことも分かってはいるけど、出産後の慣れない育児や寝かしつけをしながら一緒に寝落ち、睡眠不足の日々で自分の歯磨きは後回し、ストレスや疲れでついつい甘いものに手が伸びてしまうというお気持ち、とてもよくわかります。

毎日の歯磨きや食事・間食への意識付けももちろん大切ですが、ご家族で定期的に歯科医院へ通い、むし歯の有無の確認や予防、クリーニングを受け、お父さんお母さんのお口の中の環境を整えることで、子どものむし歯菌への感染を防げるということも知っていただけると幸いです。

当院では、赤ちゃんを連れての受診や院内にスロープもございますのでベビーカーごと一緒に入っていただくことも可能です。

赤ちゃんがいるから受診をためらっていらっしゃる方も、遠慮なくお電話や受付にてお声がけくださいね♪

 

引用文献

0歳からの口腔育成