むし歯の菌はだれから感染するの?
- 2025年5月16日
- 小児歯科
こんにちは。
随分ご無沙汰になってしまったブログ更新ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?最近は暖かい日が増え、私は2人の娘と公園に出かけることが増えています。休日にはついついお菓子を持って出かける事が多いのですが、年齢があがるにつれてグミ、ラムネ、チョコなど、親としてむし歯のリスクが気になるようなお菓子を好むようになっており、親として複雑な気持ちになることもあります。
そこで、子どものむし歯に関する内容を数回に分けて投稿していきたいと思います。
今回はむし歯菌の感染経路についてです。
むし歯菌は、『感染の窓』(感染の窓については次回詳しくお伝えします。)が開いているときに感染するのですが、では、どこから感染するのでしょう。
細菌のDNAを使った研究で、むし歯菌はおもに垂直感染(母親や保育者から子どもへ)することが明らかになっています。そこで、子どもにむし歯菌を感染させたら大変だ、ということで、離乳食をあげるときのスプーンをお母さんが舐めたらダメ、キスもダメ、頬ずりもダメと極端に警戒してしまうお母さんもいますが、その必要はありません。
むし歯菌の感染は、赤ちゃんの口の中にいる細菌に影響されます。腸の中にビフィズス菌という善玉菌がいるように、口の中にはサングイス菌という善玉菌がいます。サングイス菌が赤ちゃんの口の中の先住民になっていると悪玉菌のミュータンス菌は感染しにくいのです。また、お母さんのお口の中にミュータンス菌が少なくサングイス菌が多ければ、赤ちゃんにとって歓迎すべき感染が成立します。そのためお母さんや保育者が砂糖を控えること、普段からちゃんと歯磨きをしていることが大切です。未治療の虫歯があったり、たえずお菓子を口にしているとお母さんのお口の中の細菌に占めるミュータンス菌の割合が高くなり、感染の危険性も高くなるのです。お母さんが飴を舐めていたら、離乳食のスプーンは感染源になりかねませんが、むし歯菌を治療し、キシリトール入りのガムを噛んでお母さんの口の中の細菌を減らすと、赤ちゃんへのミュータンス菌感染を遅らせ、感染を最小限にとどめることができることがわかっています。
【引用】
「0歳からの口腔育成」